「中西進と21世紀を生きる会」が発足することになりました。
何か体の中に力が漲ってくるような気がします。
おそらくこの実感は、たくさんの人が、よりよく生きたいと心の中で熱く思っていることが、強く私に響いてくるからでしょう。
確かに今は、政治をとってみても社会をとってみても、とても荒廃した時代です。心の置きどころもなく、希望を高く掲げて生きようと思うことをなかなか許してくれません。 しかし、私たちだけでも心を寄せ合って、古代を語り、人間を考え、広大な宇宙に思いをはせて生きていこうではありませんか。
この会が「文化を学ぶのでなく、文化を手段として世界を考える」ものであることに、私も大賛成です。文化は個々の人間にとっては教養であります。 一人ひとりが豊かな心の内面をもって生きることが、社会全体をよりよくすることだという自負と自覚を持ちたいものです。
会報で皆さんのお考えをたくさん読みたいと思います。私の情報も載せてくれるはずですから、話しを聞いてください。
著書もどんどん読んでください。とくに輪読や仲間で読書会をして意見を出し合い、私との会合で大いに議論してください。
弱い葦が大勢集まって、束になって強さを見せようではありませんか。
(2002年5月)